2011/01/01

ごあいさつ

「グレイター西神」という名称は、西神や西区、あるいは神戸市などという行政の枠にとらわれず、三木市など周辺地域も含めた音楽文化圏を作って行きたいと言う思いで命名しました。皆様には聞き慣れない「グレイター(greater)」ですが、goodの最上級greatのさらに比較級で「近郊を含む」の意味です。西神中央を中核都市とする、東は須磨区の地下鉄名谷あたりから西は三木市あたりまでは、実際には一つの商圏・人的交流圏を形成しています。私達はこのグレイター西神地域の魅力アップのため、人と地域を音楽で結ぶ新しい公共サービスを目的として、NPOグレイター西神音楽ネットを設立しました。


魅力ある地域づくり
グレイター西神地域には、日本最高水準の公園・緑地を配置した住宅地域、数々の工業団地や研究開発の拠点が立ち並ぶサイエンスパーク、大学、各種教育機関と大規模ショッピングセンターなどが計画的に作られ、またスポーツ施設も豊富にあり、周辺には豊かな自然も豊富に残っています。人口減少と高齢化の時代の日本において、地域の付加価値を高め、人や投資を呼び込むことは、その地域で活動する企業やそこに住む人々の死活問題でもあります。グレイター西神地域の、これだけハードウェアとして豊かな地域の価値を高めるには、文化の向上が必要不可欠です。つまりソフトウェアです。グレイター西神地域の経済と文化の両輪が同じ軸で結ばれて回転してこそ、この地域が魅力あふれる豊かな地域になっていく推進力になります。どちらかが欠けても前には進みません。

音楽で結ぶ人と地域
音楽はそれ自体がコミュニケーションツールです。話し言葉は違っても音楽は万国共通言語であり、技術をもった人が心を込めて演奏すれば、人に感動を伝える力をもっています。私どもの企画実施するコンサートには、遠方からも出演してくださる方が増えてきています。また私たちとの活動を通して、音楽家の皆さんの間の交流も、アマチュアとプロの垣根を越えて、またジャンルを超えて増えてきています。2010年3月に実施した第1回グレイター西神音楽祭では、多くの企業からスポンサー協力をいただきました。また、もともとは小学校校区という枠の中だけで行っていた小学校でのコンサートも、西神定期便シリーズにしてからは、広く市外からも演奏協力をいただいています。

新しい公共の形
この地域を、最終的には日本という国を、世界の中で魅力的な地域にしていくには、私は明治維新に匹敵する発想の転換が必要だと考えています。公共ホールの多くが民間運営になったとはいえ、第3セクター方式で、実態は変わっていません。市の境界を越えると手を結べないのが行政の現実です。我々がNPO法人という形を選択したのは、ここに切り込んでいき、行政にはできない公共サービスとしての音楽活動の支援や地域に根ざした音楽会の企画支援を、プロ演奏家やアマチュアの差別無く行うためです。また近い将来には、公共ホールやライブハウスなどの有効活用等のビジネス面での貢献も活動の視野に入れています。こうした活動を通じて、この地域全体を音楽であふれる、多様な人と人とのつながりのある、安全で豊かで魅力的な地域にしていきたいと考えています。これらの活動を通して人のネットワークを作る。人のネットワークが網の目状にできあがった地域。都会の村社会です。子どもは地域で守る。そういった地域には犯罪は起こりえません。それをグレイター西神地域あるいはもっと広域で構築する。法人名の「ネット」には、そういう意図があります。

最後に、当ネットは、長年にわたって西区美賀多台と学園東町にて音楽や地域福祉、学校開放、スポーツなどを通じて、それぞれの地域で人と人をつなぐ活動を牽引、発展させてきた人たちが中心となって設立しました。我々の目的は、音楽を通じて暮らしを変えていくお手伝いをすることです。我々には熱意と経験があります。皆様のご協力をよろしくお願いします。

岩田俊之

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